正高信男、2003、『ケータイを持ったサル』、中公新書 読了

読む本がなかったのでつい購入。サル学者、つまり理系な人による若者論ですね。かなり警戒しつつ読んでしまった。やっぱり実験や観察みたいな自然科学の手法で人間や社会を分析する、というのが引っかかる。人文系のコンプレックスなのかもしれない。

全体として、それほど目新しいことは書いてない印象。若者が「ケータイ」にハマったり「引きこもり」になるのは、異質な他者とのコミュニケーションが苦手だからである。その原因は、親世代の甘やかしによるもの。コミュニケーションが仲間内の域を出ないのは、生まれ育った群で一生を終えるサルに近い、ということらしい。

途中から親への説教みたいになってる気が。終盤の家族論は、まあ妥当かな、と。