映画『ラストサムライ』

仕事も早めに切り上げ、映画館に寄ることができました。もっと早く見たかったのですが、ずるずるとここまで来てしまった。

期待に違わぬ、いい映画でした。19世紀後半の日本をあそこまで再現した映画はかつてなかったのでは? CGを使っているにしろ、どこでロケしたんだろう?という映像でした。設定・脚本も、よく勉強してるな、という感じ。それより何より、渡辺謙がすばらしい。香取慎吾にもあれくらいの存在感があれば。

ここからはネタバレになります。

あえて言うとすれば、勝元と大村の対立軸がもっと明確だと良かった。例えば、大村は軍備の過度な近代化を進め、国力を疲弊させている。しかもアメリカの武器商人から賄賂までもらってる。それに対し、勝元はまず内政の充実を訴えて、政界から下野していた、とか。

軍隊の近代化は、必然的に、軍人を特殊な階層に限らないものとします。それまでは、貴族(武士)が土地を支配する代わりに、軍事力を提供していた(封建制)わけで。近代の戦争は、階層に関係なく人々を動員します。それは武士ではなかった人々にとって、かなり負担だったはずですが……これ以上は専門家でもないので止めときます。

あと、根本的な問題としては、オールグレン大尉(トム・クルーズ)が主役なこと(爆)  彼の過去の話は、ちょっと重すぎるし、難しいところ。

ちなみに、「武士道」のような曖昧な精神論を賛美するつもりはあまりないのですが。。。念のため。