秦郁彦、2003、『旧制高校物語』、文藝春秋 読了

実は学校ネタはかなり好き。その中でも、現在跡形もなくなってしまった旧制高校には前から関心がありました。村上もとかのマンガ『龍』(小学館)の前半に、わりと近い世界が出てきます。主人公の押小路龍は武道専門学校に入学、旧制三高に進むものと思っていた周囲を嘆かせていますが。

旧制高校に通えたのは同年代男子のわずか1%、しかも帝国大学への進学が保証されていたとあれば、贅沢品以外何物でもなかったわけで。戦時中の一億総動員態勢を経て、大日本帝国の様々な制度が覆されていった中、あっさり消えてしまったのは必然だったかもしれません。